看護師ドラマ「まっしろ」を看護師視点で見てみるとこうなる!?

ライター:鈴本 鈴

今更ながらになりますが、看護師ドラマの「まっしろ」について、看護師としての意見を言ってみようかと思います。かなり現役看護師からの苦言の多いドラマで、ネット上での苦情も殺到していたようですが、ナイチンゲールという言葉が更に一般に広がったドラマでしょう。

130123
出典:cinemacafe.net

看護師にとっては「ありえない」と皮肉めいていることばかりだった!?

私自身も拝見しましたが、確かにネット上で言われる「ありえない」表現はいたる所にあると感じました。

まずは言われているとおりに堀北真希の髪型。あの髪型だとどんな看護行為をしても患者さんに髪の毛がつくでしょう、、、、。
患者さんからして不潔に感じることでしょうね。それか、、、、男性患者だと変な勘違いを起こすでしょう(笑)
堀北さんは役作りでロングヘアから髪を切って望んだドラマのようですが、どうせ切るなら襟につかないぐらいのボブに切るべきだったかもしれないですね。看護師以外の姿の時の役作りにもしたんでしょうか?
看護師のユニフォームも同じでないでしょうか?ハイヒールにナースキャップ。力仕事は出来ない洋装です。

看護師はある意味肉体労働ですよ。確かに「所作」は心得ているべきだと思いますが、あの格好ではできないですね。ナースキャップは意図的に復活させたようですがね、リーダ、主任、師長がパールの数で決まっているなんて聞いたことないです(おしゃれでしたけど (笑))
更に、師長自らの勉強会。どこかの病院で部署の師長が自ら勉強会を主催し実施している所があったら教えてくださいって感じでした。
私が見た回は、第5話だったみたいですが、MEGUMIが抗不安薬を自ら注射している場面があったりして、病棟管理の抗不安薬の数が合わないということがある回でした。
数が合わない。という時点で「ありえない」。しかも、数が合わないのを知っていながら様子見てる。
あの規模の病院では、「ありえない」ことです。朝、夕のの引継ぎで麻薬や向精神薬の数を勤務者同士で確認するんですよ。現場では、、、。ノートに数を記載して、目で互いに確認して、サインするんです。
しかも、MEGUMIが用いていた針は針の色から18Gという太さの針であり、注入するための針でなくて、調剤などのために使ったり(人に刺さない)、献血などで抜き取るための針の太さです。あんなの刺したら痛くて痛くてたまらないでしょう。

「あははは、、、、誰が監修しているのでしょうか?」と「ありえない」加減を疑ってしまいました。
検温しながら清拭もしません。検温の結果に変動をきたすでしょう。。
細かい所を上げるとキリがないのが事実です。やはり、看護師の現状を正確に表現しているドラマに出会えることはないのだろう、、、と、「ナースのお仕事」以来の看護師ドラマに期待を寄せすぎた自分を見出しました。




逆に「リアルな部分」もあったのでした。

「ありえない」部分をあげてみてましたが、実は「こんなことってあるある」とうなづく場面もあったのが事実です。
本ドラマの脚本家の井上由美子氏は、ドラマ「白い巨塔」を手がけた方で、社会問題を取り扱っている方。今回のドラマに関しても、自分の家族の入院中に体験した看護師の人間関係を基にしている作品。そのように考えるとドラマ白い巨塔での見方がかなり影響していると感じますが、実際に先輩との派閥争いなどあるものです。患者さんのご家族が感じるなんて凄いことだと思いますが、実際「どっちの先輩につくの?」なんて言われたことは私自身は1回ではありません。こんなことには関わらないのが一番でしょう。「○○先輩を師長にしたくない」なんて発言もありましたが、こんなこと、一介の看護師が言ってもどうにもならない人事の話です。

そして「玉の輿結婚」を狙う看護師のいること。これも事実です。
詳しくは看護師の恋愛事情にて書きましたので、ご参考ください。
看護師を「玉の輿狙いの肉食女子」と表現されていたのが何ともリアルな感じがしたりしました。
現在はあまり目にはしないのですがね、、、、井上さんのお父様の入院された病院ではあったのですね、、、

そして、「まっしろ」というドラマ名。なんだかわからないですが番宣の時に流れる「医学が白い巨塔なら看護の世界は白い大奥」というのは「まさに!!」と感じるところがありました。大奥とは奥女中が生活する場なのですが、「女性の権力争い」が印象深いでしょう。男子禁制やお目見えとか、一生奉公などが看護師のイメージに合っているのかもしれません。




看護師が主人公の作品は意外と多い!?

私が知っている看護師が主人公の作品は、「キャンディキャンディ」が始まりですが、「おたんこナース」「ナースのお仕事」ぐらいでした。周りには「キャンディキャンディ」をみて看護師になろうと思ったという人もいるぐらいでした。
しかし、実は意外と看護師が主人公の作品は多くて、実は愛染かつらでさえ「子持ちの看護師」が医院長の息子との駆け落ちですからね。
今回の「まっしろ」とあわせて、「黒い看護師」というドラマも今年ありました。

たくさんの方にある「白衣の天使」のイメージはどのようになったでしょうか?今この時代に「黒い看護師」を放映する意味はどこにあるのか?と考えてしまいました。この「黒い看護師」は実際に起こった事件が題材となっていることを知ってから見る気が失せてしまいました。
看護師として辛く感じる「福岡看護師4人による殺人事件」だったのです。医療・看護の知識を用いて人の命を意図的に奪った看護師なのです。
看護師の起こした事件についてはたくさんあります。しかし、その犯人が看護師だったということが多く、医学・看護の知識を用いての犯罪は日本にはあまりなかったので衝撃でした。

看護師が増えてもらいたい時代で、あえてこの題材に触れたことで看護師の世界を明らかにしたいと考えたのでしょうか。
他にも「ナースマン」「ナースステーション」「緊急救命病棟」などもあります。
「しあわせの処方箋」「ステキにナースDAY」などもあります。
調べてみると看護師が主人公の作品はたくさんありますので、看護師になりたい方は現代のドラマだけでなく探して読んだり見たりしてみるのが良いでしょう。




「まっしろ」は今後の日本の一部を見せてくれたかも!?

「ありえない」所でも書きましたが、ドラマ「まっしろ」は脚本家井上由美子氏が、お父様の入院中に体験したことを基に書かれたものですが、記者会見では「いま書きたいことは、いま観たいものです。やはりテレビには、とくにそういう感覚が大事だと思っています。あとは、自分がやってみたい、書いてみたいと思ったことは、決して出し惜しみせずに、その都度、全部出し切るよう心がけています。」と言われていたとのこと。
お父様の入院中に体験したことに着想を得て出来た作品だと考えると、今後の日本を見据えていることが大きなポイントであるかもしれません。

現在、国民皆保険での診療をしている日本ですが、TPPにより自由診療制度が前提での描写なのです。公的保険での診療には限りがあり、お金を持っている人は自由診療での健康を買う事になるような描写です。
TTPではアメリカは「病院に利益至上主義を持ち込む」ことを推進しているのです。これが解禁になっても公的健康保険がなくなるわけではないのですが、混合診療と言って公的保険内での治療と、自由診療を混ぜた診療形態を取る病院がもっと増えてくると思います。まぁ、歯医者さんで行っている診療と同じだと思えばわかりやすいでしょう。「保険範囲内で治療しますか?」と歯医者で聞かれることは多いと思います。
歯医者さんって、例えば前歯が折れたとして、前歯ってすごく見えるじゃないですか。そこで左右の3本ずつの計6本は保険が厳密でね、自然さが違ってくるのです。最初は良くても5年ぐらい売ると見た目が違ってくる。
こんなことが歯以外の部分にも適応されてくるのと同じになってくるのでしょう、、、、

ドラマでは治療に大した差はなかったのかもしれないけど、看護師の制服もおもてなしのひとつになり、コンシェルジュがいる病院、こんな何に使われるかわからない部分に自由診療の費用を使う人がいるんでしょうかね。
確かに、美容整形分野などは自由診療で賄う部分が多く、白衣はピンクやコーラルオレンジでスカートタイプ。病院は清潔一番より、清潔は当たり前で豪華だったりします。そして、自由診療である分なのか?看護師のお給料も高めになっていたりします。
そんな風に考えてみると、このドラマはたくさんのことを考えさせてくれるドラマだったのかもしれないです。

現役の看護師からは大変不評だったようですが、自由診療になったらこんな風になっていくのかもしれない。と考えると違った見方になるかもしれないです。




コメントは受け付けていません。

サブコンテンツ

このページの先頭へ