看護師の世界にあるプリセプターシップの制度、いいの?悪いの?

ライター:鈴本 鈴

看護師の世界にはプリセプター制度というのがあります。
先輩たちからの情報やネット上の情報では、プリセプターとの関係に悩む記事や情報が聴こえてくることが多いです。
20年かけて普及した制度ですが、既に廃止をしている病院もあります。しかし、正しく理解して導入されたら新人看護師さんを支える制度になると言えます。
この記事では、正しいプリセプター制度を知ってから「いいか」「悪いか」を考えてみる機会にしてみましょう。

nasunooshigoto出典:https://twitter.com/

正しく知る必要がある看護師のプリセプター制度

院内教育の一つに「プリセプターシップ」があります。「プリセプター制度」と言ったりしているかもしれません。20年以上前から始まった制度ですが、都市から始まり地方までやっと浸透し始めたところでしょう。
しかし、制度が正しく広がって行かなかったために、現在は制度を廃止していく病院が見られています。
プリセプター制度とは「一人の先輩(プリセプター)が、一人の新人看護師(プリセプティ)に一定の期間ついて職場のリアリティショックの緩和をする」というのがプリセプター制度です。
この一定の期間とは、本来は3ヶ月です。半年から一年の期間を組んでいる病院が多いのですが、リアリティショックの緩和が役割なので3か月で十分だというわけです。
看護師の職場は命の現場になりますので、学生の時経験できていないようなことが入職してから起こります。
患者さんからのクレーム、今話していた人が急変する、時間に追われて叱られる、ミスを起こす、挙げだしたらキリがないぐらいです。そのような「看護学生の時に、今までには経験しなかったことが起きた」時のために、話を聞いてくれるようなお姉さん的存在なのです。実は新人看護師だけでなく、経験者でも新しい職場に移ってきた人にプリセプターをつける病院もあります。




実際の看護師のプリセプター制度の動き

プリセプター制度をとっている病院は、各部署で独自に行っていることはないでしょう。
看護部全体で取り組んでいます。
プリセプター制度としての動きは各部署に任されていますが、大元の責任をたどれば看護部です。
各部署では、新人看護師や新たな入職者が入ってくるとなった時に、プリセプティを決めます。
経験豊かな余裕のある看護師が選ばれるのではなくて、できるだけ新人看護師であった時期を忘れていない人を選びます。2もしくは3年目の看護師が選らばれることが多いでしょう。
職場の上司はペアリングから始めます。職場はまだ新人看護師に会っていない時に決めざる得ないです。プリセプターに次年度はプリセプターをしてください。という事を役割として導入していくためです。ペアリング自体は仮決めにしておくこともあります。なんといっても新人看護師の情報は看護学校からの情報と履歴書からしかないのです。私が決めていた時は病院見学や看護学校の実習などでの記憶も頼りにしていました。
そして、職場導入された時にプリセプターの紹介をして動き出します。
しかし、部署での知識や技術の指導は部署全体で行うのが約束事です。初めてあった人をいきなりお姉さんにはできないかもしれませんが、頼れる人がいると思っていて良いでしょう。

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プリセプター制度とは悩むものではありません。

プリセプター制度が理解されていないまま導入されると、プリセプターの負担は高くなります。
職場の先輩たちが新人看護師の教育をプリセプターに任せてしまっているとき、任せられていると背負ってしまったときに起きます。
「○○さん、この前、こんなことも知らなかったけどどうなってるの?」や「看護技術チェックリストの技術が計画通りに行ってないけど、今日、残ってやらないと」など言われたりして、不要の残業が生じるのです。
プリセプターはプリセプティに時間を割かれることになり、先輩看護師から自分以外のこと言われるようになり、追い詰められていきます。
しかし、プリセプター制度は教育・指導は職場全体で行うことが原則ですので、そのようなことが起きた時にはプリセプターは先輩、上司に相談するべきなのです。一人で悩む必要はありません。そして、プリセプティも悩まずに、まずはプリセプターに相談。プリセプターのことを相談したいときには上司です。愚痴りたい時には同期の看護師です。一人で悩まないのが働き続けるコツでしょう。

先輩看護師のプリセプター組み合わせは変えられますので安心を

プリセプティの新人看護師から見たときにも問題が起きやすいです。
「どうしてもプリセプターの先輩看護師と合わない」という人間関係の悩みです。大体はプリセプターが自分の役割以上の教育・指導を担ってしまっている時に生じています。他には3か月以上の期間を行っている時です。
病棟全体の中にプリセプターも入っていますので、プリセプターは新人看護師に対して教育をしないわけではないです。そこで混乱するのです。当たり前といえば当たり前なのですが、「今は自分がどの立場で新人看護師に接しているのか?」ということがわからないままで関わってしまうためでしょう。
このプリセプターとの関係がうまくいかなくなった時には、いきなり上手くいかないということにはならないです。小さな出来事が起きているはずなのです。プリセプティが何度も同じことができない、既に教えたことなのにできていない、このようなことの積み重ねで苛立ちに変わっていったりします。まだまだ未熟で誰かを悪者にしたがる人もいます。ここからイジメのようなことになっていくことが多いでしょう。
プリセプティ側からすれば、理不尽極まりないものです。こんな時は職場が動くべきです。3ヶ月以上の期間をプリセプター制度として組んでいるならば、プリセプター・プリセプティの両方を考えて組みも必要です。
組み替えはできますので、プリセプティの新人看護師は上司に勇気を持って相談することも必要です。
逆に言うと、だからこそ3ヶ月という期間が大切になるのです。




プリセプターとしても成長できます

このプリセプター制度は、新人看護師だけのものではありません。先輩看護師にとっても成長の機会になります。新人看護師は素直にたくさんの疑問をプリセプターに聞いてきます。
勉強でわからないことも聞いてくることもあります。技術でわからないことも聞いてきます。先輩や患者さんに言われたことや、されたことで悲しくなって訴えてくることもあります。
そんな時に、「プリセプティが今の職場を続けられるようにするためには、頑張れるためにはどうしたらいいだろう」と考え、関わりを持っていく。このためにプリセプターも勉強をします。知識的な部分も学習し直したり、精神的に強くなっていったりするのです。これは教育に関わるという一歩目なのです。
看護師の仕事は、その日の勤務者が同じフロアーの中で、病棟に入院している患者さんたちをケアします。このようなとき、その日の勤務者はチームなのです。新人看護師は先輩看護師のフォローを受け、先輩看護師はそのまた先輩の看護師のフォローを受ける。このようにして一日の勤務が成り立ちます。
先輩になればなるほど、教育との関わりは密接になります。その第一歩が「プリセプター」なのでしょう。




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