精神科の看護師が抱えているストレスと役割、給料の実態

ライター:鈴本 鈴

pshy

精神科の看護師が抱える、精神科ならではのストレスや仕事で求められる役割、給料の実態など…精神科領域で働く看護師の看護の実態についてお話します。
皆さんは精神科の看護師と聞いてどのようなイメージを持たれるでしょうか?色々なイメージを持たれる精神科領域ですが、最近では「うつ病」などに対しての見識が広がりつつあるので、昔ほどの差別イメージはないのではないかと思います。

精神科の看護師の仕事内容や役割

通常の看護にプラス服薬確認が大切

精神科領域の看護師としても、たくさんの働く場所があるのが現在の状況です。精神科病院においても、働く場所は急性期病棟、療養病棟、認知症病棟、アルコール専門病棟などが挙げられるし、訪問看護ステーションや在宅療法、デイケアなどもあります。仕事の内容としては他科診療科と大きな違いはなく、日常生活行動の介助(体を拭いたり、入浴を手伝ったり、歯磨きを手伝ったり・・・)を行うのは変わりありません。

他に内服の管理。精神科領域は内服薬が多く、自分で管理できない人もいるため服薬確認が大切な看護になります。拒薬といって、飲もうとしなくて暴れる方もいらっしゃるし、口には含んでくれたけど実は飲み込んでなくて後から出してしまうなどのこともあります。一般病棟でも認知症の方で同じようなことが起こりえます。医療行為、レクリエーション、作業療法参加、などあります。

資格よりも患者への理解と看護の論理観

精神科の看護師には特別な資格がなくてもなることができ、残業が少ないとか、医療処置が少ないとか、危険手当が付くので給料が高いとか、看護師の仕事を休んでいた人が再開する為に不安が有る、いろんな理由で希望する看護師が多くなっていると聞きました。
どのような職場を選ぶのか?ということを選んでいれば、特に資格は必要ないと思います。しかし、資格が無いわけではありません。最近の精神科領域の注目から「リエゾンナース」という資格が初めに生まれました。その後、精神看護専門看護師、精神科認定看護師、認知症看護認定看護師、などの資格が現在はあり、今後の看護師の働く場所を考えていくと特化した専門領域を極めていくことは強みになると思われます。

そこで、精神看護師として必要なこととしては、精神疾患に対する考え方を持っている必要があるでしょう。精神疾患を患った患者さん自身の苦悩を理解できていることが必要ではないでしょうか?特別な疾患ではなく、誰もが経験する可能性があり、患者さんは精神疾患自体からの苦しみと共に、社会からの偏見による苦痛と二重の苦しみを持っているということです。更に、患者さんにおいて理解力、判断力などが低下していることが有り得るため、丁寧に、根気強く関わることも求められます。加えて、治療内容によっては閉鎖病棟における患者さんも存在するため、自己の看護の倫理観を求められるでしょう。




精神科の看護師が感じるストレス

暴力、暴言に至ってしまう患者さんもいる

精神科領域において代表的な疾患は、「精神および行動の障害者、アルツハイマー病、統合失調症、気分障害(躁うつ病と含む)、神経症性障害、ストレス関連障害、、、」などの疾患が挙げられます。
具体的にどのような症状が見られるか?となると、いわゆる危険行動と言われる暴力、暴言もあるでしょう。これは、医療者に対してのことばかりでなく、患者同士でも存在します。そればかりでなく、患者自身が自分を傷つけることもあります。よく見られることはリストカットです。施設に入っているときは起こりえないと思いますが(起こりえないように看護することが必要なのです)、急な気分の変化で起こり得ることだと思っていなければなりません。このような危険のある患者さんは閉鎖病棟に入ることも多く、施設にいなかったとしても「緊急入院」「措置入院」という対処が取られ患者さんを守ることになります。

そのような患者さんに対応するとき、患者さん自身は全身で対抗してきます。その場合、わざとではないです。だからこそ、全力を出してくるので女性看護師の力では及ばないこともあったりします。ですから、精神科病棟には男性看護師が多いというわけです。また、根気よく関わる必要があることについてもストレスフルになる時もあります。看護師も人間ですから・・・

通常と違うストレスの原因・要因

ストレスの要因を上述しましたが、加えて精神科病院におけるベット回転率(ある一定に期間で病床がなん回転するのか?という事でベッド回転率が高いほど病床の効率が良いということ)が、一般病院に比べて低いです。簡単に言うと一人の患者さんの入院期間が長いためです。どのぐらいかといえばH23年で平均在院日数298日。一人の患者さんが300日近く入院します。ちなみに私が大学病院に勤務している時の平均在院に数は7日前後でした。どれだけ長いのか想像がつくかと思われます。

看護師にとって、患者さんの入れ替わりがないのは情報データ的には楽に感じることもあります。しかし、これだけ長く在院するということは、単に行き場がないだけの場合が多いのです。更には精神科入院の患者さんは生活保護受給者が多いです。これには福祉関連からの情報での入院に至る患者さんが多いことを表しているのですが、それだけに生活調整には一般病院以上の調整が必要となり、このようなことは精神看護しならではのストレスとなるかと思われます。

精神科の看護師の求人・転職状況

通常の看護師からキャリアチェンジも可能

これは、勿論応募することができます。最近はブランクを抱えている看護師が志願することが多いとも聞きます。時間外が少ないとか、お給料が高いとの理由らしいです。実際、私の母は看護師ですが産後に復帰するまでの間10年近くのブランクをもっての復帰は精神科病棟でした。志願の理由は近所である(自転車で10分)、開放病棟での勤務であれば負担少ないと聞き、更に時間が少ないと言うことを病院の師長が知り合いであり、聞いてみてからの志願でした。

しかし、最近の精神科病床数は35万床程度で、緩やかですが減少の傾向です。ベッド数が減ってきていれば必要とされる看護師の人数も減ってくるので希望する看護師は増えても、対象の入院患者は減ることがあり、精神科病院への競争率は高くなるかもしれませんね。

地域による精神科の求人状況に違いはある?

これを知るには、精神科病院の立地の地域さを知る必要があるでしょう。都会の生活に疲れ心を病む人が多く、需要は都心に多いように感じますが、入院施設を持つ精神科病院は全国で1070軒前後。人工10万に当たり0.84軒ある計算らしいです。このような中で、最も多いのは鹿児島県で人工10万人に当たり2.25軒で上位10軒のうち、5軒を吸収が占めている状況です。関東や関西には精神科病院が少ない状況。病院がなければ求人もないということになります。

都市にベッド回転率の悪い収益の少ない病院を立てることが自体が少ないのでしょう。しかし、都心に少ないと言えど、クリニック体制で入院施設を持たない施設は入っていないため、外来看護師としての関わりは意外とあるかもしれません。そして、精神科領域を看護したいとなるのであれば「訪問看護」も狙い目の一つです。訪問看護はお年寄りのためのものではありません。精神疾患を有しながら、病院には入院していいないけれども一人だけでは日常生活が困難な方には訪問看護を受けることができます。

病院という組織に守られない各個人の家庭の中で行われることで不安もあるかもしれませんが、その分訪問看護師の時給は高めになっています。現在求人サイトに問い合わせしてみると、都内で2000円/時以上を希望するなら訪問看護ステーションが早く決まると3社にいわれました。




精神科の看護師の給料って

給料にプラスされる危険手当

精神科看護師のお給料は本当に高いでしょうか?看護師としての基本給は20~25万/月程度で変わりないと思います。そこに精神科ならでは危険を考慮した危険手当というものが存在することがあります。更に、専門看護師、認定看護師を受け入れたいと思っている病院であれば役職手当として1~3万/月を追加してくれるところもありますが、現在の専門看護師、認定看護師についての世の中の認知状況から考えると、組織側からは支払う賃金を増やしてまで欲しい人材では必ずしもないかともおもわれます。しかし、危険て手当が付くのであれば他科の診療科より多いことになるでしょう。

ただ、H26年診療報酬改定にて7:1看護機銃が見直されから7:1看護基準を取れる病床数が減るように国は見込んでおり、病床数の現象から14万人の看護師が離職することになります。少ない看護師であるならば優秀な看護師をどの組織も欲しがるはずだと思うと、専門看護師や認定看護師の資格を得ることは今後の強みに生かせるかと思われます。また、資格を使って給与アップを申し出ることもできるのではないでしょうか?

地域によって120万円以上の違いも?

都心と地方での精神科病院の立地数の違いがああるため求人数は地方の方が多いかもしれません。ちなみに関西、関東は少ないと言いましたが、一番少ないのは奈良で0.29軒らしいです。移転を考えていて、職場は精神科看護師と決めていれば求人サイトで移転費用を負担してもらえて、更に住居も準備してくれる(負担してくれる)場所を探してもらえるかもしれません。

しかし、求人的には多いかもしれませんが、お給料的には違いは大きくないらしいです。更に、地方の物価から基本給が地方差生じていることもあります。精神科領域に限った事ではなく看護師の給料は都市圏が高め、地方が低めになっております。看護師の転職サイトによると、2014年の看護師の平均年収の1位は京都府525.9万円、最下位は熊本県399.6万円となり、地域差としては年間で126.3万円の違いがあることになります。

精神科疾患は特別なことではありません。今の世の中になれば誰でもが成り得ることを考えて関わることが必要になります。これからの超高齢化社会に向けて高齢者介護が必要とされる世の中で理解しがたい相手であっても、相手にしないといけない場面があると思われます。ということは、あまり特別なことではなくなると言えるのでないでしょうか?精神科看護師に求められることや、起きやすいストレスなどを話してきましたが、他科の看護師と大きくは変わりはないことを知っていただければと思います。
また、起きやすいストレスは「思うように相手が動かない」ということに集約されるのでないでしょうか?そのようなこと普通世間にあることで、特別なことではないのです。

精神科看護を通しての話で精神科に関わる方や、精神科や心療内科を利用している人たちへの理解が深められれば・・・と思っています。

コメントは受け付けていません。

サブコンテンツ

このページの先頭へ